- 自己破産が就職や転職に影響しないか気になる
- 就職面接で自己破産について聞かれないか心配
- 自己破産が原因で内定取消や解雇にならないか不安
自己破産は決して悪い事ではありません。自己破産は法律で認められた国民の権利です。
しかし、免責許可が下りても“後ろめたさ”が残ってしまうことは事実。。
そのため「自己破産したことが就職や転職などに影響するのではないか」と心配になるかもしれません。でも、安心して大丈夫です。
ちなみに、日本では毎年8万人以上の人が自己破産の手続きをしています。さらに、任意整理の手続きをする人は年間200万人以上におよぶそうです。
もし、自己破産(もしくは任意整理)すると就職できないという状況が発生すれば、毎年数百万人の人が就職難に陥ってしまうことになります。
しかし、現在就職難とはいえ、そのような事態には陥っていませんよね。
つまり、「自己破産しても就職・転職できなくなることはない」ことは間違いない事実でしょう。安心して就職・転職活動して大丈夫です。
本ページでは「自己破産しても就職・転職活動に影響しない理由」について解説します。
自己破産しても就職・転職活動に影響しない5つの理由
自己破産をきっかけに前向きに新たなスタートを切りたいと考えている人は多いと思います。
✓自己破産後は心機一転したい!
✓新しい環境で1から頑張りたい!
でも、自己破産したことが就職・転職活動に影響するのではないかと心配ですよね。
とはいえ、それでも不安な人は以下を参考にしてみてください。
- 履歴書に自己破産の履歴にを書く必要はない
- 自己破産の履歴について聞かれることはない
- 自己破産の履歴を調べるのは困難
- 採用審査で信用情報を照会するのは法律違反
- 自己破産は内定取消や解雇の理由にならない
履歴書に自己破産の履歴にを書く必要はない
自己破産歴は履歴書に書く必要がありません。
自分から過去に自己破産していることを公表しない限り、就職・転職活動時に知られることはないので心配する必要はないでしょう。
自己破産の履歴について聞かれることはない
「あなたは自己破産したことがありますか?」などと面接時に聞かれることはありません。
むしろ、入社する前から経歴とは関係ない個人のプライバシーに関することを聞いてくるような企業を積極的に選ぶ必要はないでしょう。
もし、激レアケースで自己破産歴を問われた場合は、自ら入社を辞退するくらいの気持ちで構えるくらいがいいと思いますよ。面接とはいえ、業務に関係ないプライベートなことまで聞くのは失礼ですので。
自己破産の履歴を調べるのは困難
自己破産をすると、信用情報機関に“異動”が記録されます。つまり“ブラックリスト”に登録された状態となります。
ブラックリストに登録されると、5~10年間は以下の信用情報機関であなたの自己破産の記録が残り続けます。
例えば、クレジットカード会社や銀行、保証会社、消費者金融、その他には奨学金を運営する日本学生支援機構などの金融機関は、以下の信用情報機関に加盟しています。
ただし「加盟している=個人の信用情報を調べられる」といわけではありません。
例えば、指定信信用情報機関(CIC)では、個人情報の取り扱いについて以下のように定めています。
つまり、たとえ銀行でも本人の同意なしに信用情報を照会することはできないことが個人情報保護によって定められています。
採用審査で信用情報を照会するのは法律違反
「信用にかかわる職種(銀行など)に就く場合、自己破産歴はチェックされるのでは?」
結論から言うと、採用審査で信用情報を照会する行為は個人情報保護法に違反するため、銀行であっても違法行為として罰せられます。
つまり、就職の採用審査で個人情報が照会されることはありません。
なお、個人情報保護法に違反した法人事業者に対しては「1億円以下の罰金」の刑事罰が科されます(参照:弁護士法人デイライト法律事務所)。
たとえ信用情報機関が管理する自己破産の情報であっても、個人情報保護法によって守られるべきプライバシーです。就職・転職活動で個人のプライバシーが犯されることなどあってはなりません。
自己破産は内定取消や解雇の理由にならない
自己破産が直接的に業務に影響することがない限り、自己破産が原因で内定取消や解雇されることはないと思って良いでしょう。
日本は労働者を解雇することが極めて難しい国です。解雇する合理的な理由がなければクビされることはありません(内定取消も同様です)。
「自己破産が解雇するための合理的な理由に当たるか」という問題について、結論から言えば、“合理的な理由にはあたらない”と言えます。
もし、自己破産が理由で内定取消や解雇などの処分があった場合は“不当解雇”にあたるため、労働監督署に相談しましょう。
就職中(在籍中)の自己破産はバレる可能性あり
自己破産歴があっても就職・転職には影響がありません。就職後も企業側に自己破産した過去を知られることは“原則”ないでしょう。
ただし、以下の場合は就職先に自己破産歴があることがバレてしまう可能性があります。
- 官報に掲載された個人情報が誰かに見られた
- 退職金見込額証明書の作成をお願いした
- 会社から借入していた
とはいえ、自己破産がバレたとしても解雇される理由にはなりません。
しかし、過去の金銭トラブルであっても信用を損なう可能性があるため、社内での出世や職場での人間関係に影響する可能性があるかもしれませんね。
官報に掲載された個人情報が誰かに見られた
自己破産すると「氏名」「住所」などの個人情報が『官報』に掲載されます。
官報とは国が毎日発行している機関紙(新聞のようなもの)で、直近1ヵ月分であれば誰でもインターネットから閲覧可能です。ただし、それより前に発行されている官報を閲覧したい場合は有料講読に申込む必要があります。
官報の有料講読プラン
- 紙媒体の定期購読:月額3,841円
- インターネット講読(日付検索):月額1,672円
- インターネット講読(日付⁺記事検索):月額2,200円
なお、インターネット講読では、昭和22年5月3日から本日までに発行された官報すべてを閲覧することができます。
官報が原因で自己破産がバレる可能性は0%ではないものの、極めて0%に近いくらいの確率でしょう。
官報に掲載されるリスクについて、以下のページに詳しくまとめていますので参考にしてみてください。
≫ 自己破産して官報に個人情報が載る※デジタルタトゥーのリスクとは?
※官報に掲載された情報は半永久的に消えません…
退職金見込額証明書の作成をお願いした
これは就職時に自己破産手続きをする場合です。
自己破産をするためには裁判所に自己破産の申し立てをする必要があります。弁護士に依頼する場合は、担当の弁護士さんがすべて代行してくれます。
ただし、裁判所に提出する書類の1つに「退職金見込額証明書」が必要になるケースがあります。つまり、仮に現時点で退職した場合にもらえる退職金を裁判所に申告する必要があります。
そのため、職場の経理担当者などに「退職金見込額証明書」の作成をお願いした時、使用用途について聞かれる可能性があるでしょう。
この時、「破産申し立てのため」と正直に答える必要はありませんが、もしかして…と思われる可能性はありますね。
会社から借入していた
金融機関に就職している場合は、会社からお金を借りるケースがあります。
例えば、銀行員の多くは自分が勤める銀行のローンを利用したり、クレジットカードを作ったりすることは珍しくありません。
この時、ローン審査のために信用情報機関に個人の信用情報を照会することになります。もし自己破産している場合は、審らないため会社査が通にバレてしまう可能性があります。
とはいえ、自己破産歴がバレても解雇の理由にはならないものの、社内での信用を損なうことは避けられないかもしれません。
このようなリスクがあるということは覚えておいた方がいいでしょう。
破産手続中でも就職・転職活動はできる※新規一変したいなら転職もあり!
自己破産後は、仕事も生活環境も新規一変したいと考える人も多いと思います。
自己破産をすることは悪いことではありませんが、後ろめたい気持ちが残るのも事実です。そのような気持ちをリセットするためにも環境を変えるのは良いことだと思います。
破産手続きが始まれば借金返済の取り立てもストップするため、精神的にも余裕が生まれるはず。この機会に転職するのも新らしい環境作りのためにはプラスになるかもしれません。
ただし、破産手続き中は一部の職種で職業制限がかけられることは覚えておきましょう。
【注意】破産手続き中は就けない職種がある
自己破産の手続き中(免責が下りるまで)は、以下の職業に就くことができませんのでチェックしておきましょう。
破産手続中に付けない仕事(資格)
- 弁護士
- 司法書士
- 行政書士
- 公認会計士
- 社会保険労務士
- 警備員
- 税理士
- 土地家屋調査士
などなど。
ただし、免責許可が出た後であれば、上記の職業に就くことが可能です。
最後に:自己破産後にフリーランスとして独立した私の体験談
借金200万円で自己破産した私は、現在フリーランスのWebライターとしてお仕事をさせてもらっています。
ちまにに、自己破産した当時は某Webメディアを運営するWebマーケティング会社に勤めていました。
≫ もう限界だ…と思ったら自己破産した方がいい【借金200万円で自己破産を決意した私のきっかけ】
※自己破産を決意した時の状況については上記のページをご参照ください
自己破産をきっかけに転職して心機一転したいとも考えていましたが、フリーランスとして個人で働きたいという思いもあったため、免責許可が下りた後も1年ほどお世話になり、その後、フリーランスになりました。
勤務先の先輩がWebライターとして独立していく姿を見ていたため「自分でもできそう」と思い始めていたのかもしれません。
転職しなくても私のようにフリーランスとして働くという選択肢もあります。
とはいえ、未経験からすぐにフリーランスになることは難しいと思いますので、転職を考えるならWeb関係のお仕事がおすすめです。
現在はどんな仕事でもWebマーケティングは欠かせない要素であることは間違いありません。この流れは今後も変わらないため、Web関係のお仕事は将来性がある業種であることは間違いありません。
そして、私のようにフリーランスとして独立しやすい業種でもあると思います。