- 自己破産が成立するまでの目安期間を教えて欲しい
- 借金の取り立てはいつストップするのか知りたい
- 弁護士に相談~自己破産成立するまでの具体的なスケージュールを知りたい
残念ながら“自己破産する”と決めても、すぐに免責(借金が無くなる)になる訳ではありません。
結論から言うと、自己破産する人の98.18%が破産開始決定から4ヵ月未満で判決が下されています。要するに、自己破産が成立するまでに4ヵ月かかるということ。
本記事では「弁護士さんに相談~自己破産までのスケジュール」と「借金の取り立てはいつのタイミングでストップするか」について解説します。
裁判所で破産申立て後、自己破産が成立するまでの期間はどれくらい?
日本弁護士連合会による2017年破産事件記録調査によると、破産手続開始決定から自己破産が裁判で認められて免責になるまでの期間は4ヵ月未満と報告されています。

破産手続開始決定~免責までの期間
- 4ヵ月未満:99.18%
- 4ヵ月以上5か月未満:0.59%
- 5ヵ月以上6か月未満:0.23%
そもそも「破産手続開始決定」とはどのタイミングを意味しているのでしょうか。
以下では、自己破産までのスケジュールについて解説します。
破産手続開始決定ってどのタイミング?
「破産手続開始決定」とは、破産申立てを裁判所が承認し、正式に裁判が始まるタイミングのことを意味しています。
つまり、裁判が始まって判決が下されるまでの期間が4ヵ月未満ということです。
なお、破産申立ては自己破産の手続きを委任する弁護士(もしくは司法書士)が代行することになりますが、破産申立てをする前には“破産申立てをするための準備”が必要です。
以下は、相談~自己破産までのスケジュールを表したフローチャートです。

破産手続開始決定から判決が下されるまでの目安期間(4ヵ月)は、裁判所次第なのでコントロールすることができません。
ただし、依頼者(あなた)が準備すべき必要書類がそろわなければ、弁護士さんは破産申立てをすることができず、自己破産までの期間が長引きます。
つまり、依頼者(あなた)が弁護士さんに提出べき必要書類をどれだけ早く準備できるかによって、自己破産までの期間が変わってきます。
なお、弁護士さんに提出すべき書類は全部で9種類あります。以下のページに詳しくまとめておりますので、ご参考にどうぞ。

※銀行口座の通帳コピーが一番大変…
破産手続開始決定の持つ効力とは?
弁護士による破産申立てを裁判所が承認し破産手続開始決定すると、あなたの財産権利は裁判所が選任した破産管財人に移ります。
つまり、破産手続開始決定後、あなたは裁判所に許可なく財産を処分することができなくなるます。
その他、破産手続開始により債務者(あなた)は以下の制限が裁判所から課せられます。
破産手続開始後の課せられる制限
- 住居の移動や海外渡航の制限
→ 裁判所の許可なく居住地を変えたり、海外渡航することは禁じられています - 郵便物の制限
→ 債務者宛の郵便物はすべて破産管財人がチェックします - 一部資格の制限(職業制限)
→ 警備員、税理士、弁護士などの職種に制限がかかります - 裁判所への出頭義務および財産開示義務
→ 裁判所の命令には従う義務が課せられます
なお、破産手続き開始決定後は、債権者(クレジットカード会社やローン会社など)があなたに対して借金の取立を行うことはできなくなります。
ただし、破産手続き開始決定するまで、借金の返済催促の電話などの取り立てが続くかと言えば、そんなことはありません。
自己破産すると取り立てはいつ止まる?
結論からいうと、自己破産手続きを依頼する弁護士(もしくは司法書士)と“委任契約”をすることで、債権者(クレジットカード会社やローン会社など)からの取り立てはストップします。
委任契約を結んだ弁護士は、すぐに依頼者(あなた)の借金の債権者宛に「受任通知」を送ります。
この「受任通知」には債権者の取り立てをストップさせる“法的な効力”があります(貸金業法21条1項9号、第2条5項)。
受任通知を受けにもかかわらず、債権者が債務者に対して直接の取り立てを行った場合、2年以下の懲役、もしくは300万円以下の罰金に処せられる、またはその両方を処せられます。
まとめ:自己破産成立までの期間は準備期間を含めて約半年!
破産申立て後の「破産手続開始決定」から判決(免責許可)が下されるまでの目安期間は”4ヵ月”です。
しかし、破産申立てには準備が必要になるため、“相談~自己破産までは最短で半年”と見積もっておきましょう。
ただし、あなたが弁護士さんの協力的で、必要な提出書類を迅速に用意できた場合の最短スケジュールだと思ってください。
仕事の都合などで、担当の弁護士さんと密にやり取りができない、もしくは書類の準備が進まないような場合は、弁護士さんがいくら頑張っても裁判所に破産申立てをすることができません。
つまり、自己破産を早く済ませられるかどうかは、依頼者(あなた)次第です。
とはいえ、
✓自己破産する決心がつかない…
✓自分から相談しに行く勇気がない…
✓知り合いに相談できる弁護士がいない…
という人も多いと思います。
もし、相談できる友達や知人、先輩や家族がいれば、借金の悩みを打ち明けるだけでも気が楽になり、1人では思いつかない解決策が出てくるかもしれません。
そんな相談できる人がいない…という場合は弁護士や司法書士に相談するもの解決策の1つです。
もしくは『借金減額シミュレーター』を使ってみることで、別の解決策が見つかるかもしれません。
以下に当てはまる人は要チェック!
- クレジットカードやカードローンの借金がある。
- 返済し続けて3年以上が経過している。
- 返済を続けているのに元本が減らない。
➪ 任意整理により返済残高を大幅に減らせるかもしれません。
今すぐ専門家(弁護士や司法書士)に相談するか『借金減額シミュレーター』で借金がどれくらい減額できそうか診断してみることをおすすめします。
※借金減額シミュレーターは弁護士法人が提供する無料のネット診断サービスで、匿名でも利用できます。
借金問題の解決方法は自己破産だけではありません。
クレジットカードのリボ払いやカードローンなどの高金利(15%前後)の借金を抱えている人の多くは、自己破産ではなく任意整理によって借金問題を解決に導いています。
1人で悩まず、ますは相談することが借金問題を解決する第一歩になるはずです。